トルコも例外ではありません
日本では新型ウィルスを巡るニュースが流れ続けています。
政府関係部署の方々、医療関係の方々、保育園の方々、インフラを支える皆さん…本当にありがとうございます。
世界に向けると多くの国が日本より遥かに厳しい状況に置かれています。
残念ながらトルコもその例外では無く、しかもその大半がイスタンブールで確認される事態となっています。
4月4日の外出禁止措置
NHK NEWS WEBによると、トルコ政府は感染の拡大を食い止めるために、これまで65歳以上に限定していた外出禁止措置の対象を、2020年4月4日から20歳以下にも広げる事を決定しました。
トルコでは新型コロナウイルスの感染者がこの1週間で3倍以上に増えて4月4日の時点で2万人を超えています。
感染者はイスタンブールに集中
トルコ国内の感染者の60%近くはイスタンブールで確認されています。
イスタンブールでは4月4日以降は地下鉄やトラン、バスなどの公共交通機関を利用する場合にマスクの着用が義務づけられるとの事です。
首都アンカラやイスタンブールなど主要31都市では、生活物資の運搬を除く市外からの車両の出入りを原則禁止としました。
トルコではファフレッティン・コジャ保険大臣が記者会見などを通じて日々の状況を伝えています。
4月1日は
●新規検査数 14,396人
●新規感染者数 2,148名
●累計検査者数 106,799名
●累計感染者数 15,679名
●新規死亡者数 63名
●累計死亡者数 277名
●回復者数 333名
でした。
累計症例数の内、約6割はイスタンブール県との事でした。
感染は更に拡大
その後も新型ウイルスの感染拡大には歯止めが掛からず、ファフレッティン・コジャ保健相の4月10日の発表によると、
●新規検査数 30,864人
●新規感染者数 4,747人
●累計検査総数 30万7,210人
●累計感染者数 4万7029人
●新規死者数 98人
●累計死亡者数 1,006人
●回復者数 2,423人
となっています。
4月1日と比べても感染が大幅に拡大しているのがわかります。
コジャ保健相によると、トルコにおける新型ウィルスのよる死亡率は2.15%となっており、これは1,000万人以上の人口を持つ国々の中で12番目に高い数値との事です。
48時間の外出禁止令
4月10日、トルコ内務省は、トルコの30の広域市を抱える県とゾングルダック県に対して4月10日〜4月12日まで48時間の外出禁止とする法令を発表しました。
対象となるのは
アンカラ、イスタンブール、アダナ、アンタルヤ、アイドゥン、バルクエシル、ブルサ、デニズリ、ディヤルバクル、エルズルム、エスキシェヒル、ガージアンテプ、ハタイ、イズミル、カフラマンマラシュ、カイセリ、コジャエリ、コンヤ、マラティヤ、マニサ、マルディン、メルシン、ムーラ、オルドゥ、サカリヤ、サムスン、シャンルウルファ、テキルダー、トラブゾン、ヴァン、ゾングルダックです。
この間は一部の例外を除いて、対象地域に居住・滞在する全ての国民に対して外出を禁止しました。
外国人にもこの規則が準用されます。
この間開業が認められる機関は
●パン製造を行なっているベーカリー
●保健製品や医療材料を製造する職場
●医療機関、薬局、指定された獣医クリニック
●老人ホーム、老人介護施設、リハビリセンター、緊急通報センター等
●指定されたガソリンスタンド
●石油関連会社、火力発電所、天然ガスプラントなど
●郵便局、流通会社
●畜産、農場及び関連施設
などとなっています。尚この間外出が許されるのは、
●開業が認められる機関の経営者及び職員。
●トルコ大国民議会の職員
●治安維持業務者
●救急センター職員
●親族の葬儀埋葬を実施する者と参列者
●インフラシステムの維持及びメンテナンス業務従事者。
●輸送物流に関わる運送業者
●新聞、ラジオ、テレビ局勤務者
●社会的保護・介護センターの職員。
●郵便局、水運送業の勤務者。
●鉄鋼、ガラス業などで操業を炉や冷蔵庫などの運転者
●農業・家畜製品の収穫従事者。
●パンの運搬に携わる者
●血液及び血漿提供のために予約している者
以上の人達で、それ以外の全ての国民は家にいる事を要求されます。
違反したら罰金もあります
トルコの外出禁止令は日本の緊急事態宣言とは違って自粛の要請ではなく公衆衛生法に基づく規定です。
その貯め決定に従わない国民に対しては罰金が課せられます。
今回の外出禁止令では違反した場合は250TL以上1,000TL以下の罰金系となっています。
日本円で4,000円〜16,000円といった金額ですが、現地の人の実感としてはもう少し高額に感じると思います。
違反の状況によっては必要に応じてより強力な処罰がなされ、2か月以上1年未満の禁固刑措置が開始されます。
こちらも外国人も同様の対応になります。
※参考 在イスタンブール日本国総領事HP
航空事情
エルドアン大統領が3月27日に国際線の一時停止を発表し、トルコ航空は全ての国際線を4月17日まで停止しています。
更にトルコ航空は、4月10日には国際線の停止を5月1日まで延長する事を発表しています。
同時に国内線の減便措置についても5月1日まで延長すると発表しています。
尚日本との間については4月12日ではカタール航空のイスタンブール発ドーハ経由成田行の便が運航を継続しています。
但し今後の運航については未定とのことです。
海外からの帰国者は14日間隔離されます。
英国への医療物資支援
こうした中、トルコ政府は英国に医療品を支援しました。
トルコ国防省が4月10日にツイッターで発信した内容によると、エルドアン大統領の指示で医療用品を積んだトルコ軍用機がアンカラを発ってロンドンに着いたとの話でした。
マスクやオーバーオールなどが運ばれています。
トルコ国内での医療物資も逼迫している中でこの支援が国内的にどう評価されているかは正直分からないのですが、排他的でない姿勢は良い事だと思います。
まとめ
欧米各国と同じようにトルコでも新型ウィルスとの闘いは続いています。
地政的にも人の交流の多い場所であり、難民などの流入などもある地域だけにウィルスの侵入を阻止するのは容易ではありません。
それでもトルコ政府と国民は政治的経緯から外出禁止などの措置には慣れていて、法整備もされています。
これが良いことかどうかは別ですが、少なくとも新型ウィルス拡散防止の点では良い効果を生んでくれるのではないかと思います。
早く新型ウィルス問題が収束して、また港やバザールが活気を見せるよう願っています。
今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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